ボブの絵画教室

若干乗り遅れた話題だけど、懐かしかったので少し。この番組の凄さは既にあちこちで言及されているので、個人的に印象に残っている所を。


OPは画面いっぱいのキャンバスに合成されたボブさんが大きな筆に見立てた箒を振り回すとその軌跡が絵に替わると言うものなのだけど、シリーズを重ねるとだんだん小ネタを挟むようになり、足を突っ込んだペンキ缶を引き摺って退場したり、筆を放り投げたかと思うと絵の中に消えていったり。YouTubeにある日本未放送分ではアニメーションでリスやフクロウが登場している。
続けて見ていると面白いもので、番組進行の違いが色々見て取れる。背景の空や奥の山に時間をかけ過ぎた時は手前の木や茂みをザクザクと書いてキャンバスを埋めてしまったり、逆に早く描けたらサインを入れて時間を稼いだり。森の奥を描く場合は真っ黒なキャンバスから始めたり、マスキングで丸く枠を作って剥がした後にわざとはみ出す木を描き加えたり、コマ割りして夏の風景と冬の風景を同時に書いたり。マスキングを剥がす際、焦って剥がし損ねて照れ笑いしていたのを覚えている。
一度だけ息子のスティーブさんが代打で描いているのを見た事がある。比べるのは色々と憚られるのだけど、どこか大人しい感じの人と絵だった。
作業中に挟まれる語りには時折小動物が登場するのだが、一番印象的なのは何と言っても「ポケットリス」だろう。ポケットに入っているのが好きだからポケットリス。怪我している所を助けたと言う話で、森へ返すと言うのは本当だろうかと思えるほどの可愛がりよう。あのアフロヘアーに乗せて遊んでいるVTRが流れたり、確かスタジオに連れて来ていた記憶もある。扇形の筆で描く「Zの木」の枝の一部をワザと欠いて、「ここは昔リスが齧ったんです」なんてのもやっていた。


懐かしいと言っても僕はNHK-BSで見たのではなく、CATVのホビー関係のチャンネルで見ていたのでそれほど昔ではない。そのチャンネルはもうウチで契約しているCATVの枠から外れてしまったのでもう見られないのだが、できるなら今でも見たい番組。DVD-BOXだといろいろ大変なのでNHK総合地上波デジタルの裏側のチャンネルあたりで再放送してくれないだろうか。